Petrified Forest
2億年前の記憶が眠るクリスタルになった針葉樹の森
森といっても緑生い茂る森ではありません。Petrify(ペトリファイ)とは石化という意味で、2億年ほど前に針葉樹の森であった場所が、火山活動などの地球のプレート移動などの要因により古代の川(海)の底に沈み、その上に堆積した土砂と水の圧力が途方もない年月加わり、木材がその姿のまま石化、つまりクリスタルになったのです。このエリアにはそれらが多数点在することから森という名前が付いています。外見は普通の木ですが、実際に触ると色が付く透明感のあるクリスタルで、とても重いものです。
不思議に思いますよね。たいてい、木々などの有機物が同じような過程を経る…海に沈み、堆積層が折り重なり、年月が経つ…といわゆる化石燃料=石油になります。ではなぜここは木材がその姿のまま石化したのでしょう?
それは、木が十分早く・深く海中➡堆積層に埋没、木は酸素を断たれ腐敗が進まず、かつ周囲が十分な水と火山灰由来のシリカで満ちていたため、それらのミネラル成分が木材内部に浸透、周囲の圧力と温度でクリスタル化されたといわれています。
しかし、その過程にはもっと複雑な自然の驚異が詰まっています。想像してみてください。森が海中に沈むほどの地盤沈下もしくは海面上昇ってどんな時でしょう? 私たち人類の歴史の中でそんな現象が起きた時がどれほどあるでしょう? 地面が割れるほどの火山活動だったら、木が燃えずに残ることはそれだけでも驚異的な確率と言わざるを得ません。常に動くプレート内の地中内の温度が少しでも低いもしくは高くてもクリスタル化には至らなかったでしょう。
そして、それが地表に出てこなければ私たちの目に触れることもありません。すべては自然の偶然と驚異が成せるものです。ただ、この珪化木(Ptrified Wood)はここだけではなく、北米も含め世界の他の場所でも発見されていますが、これほどの規模に渡るのはこの場所だけと云われています。
ペトリファイドフォレストに行くポイント
1、三畳紀(Triassic Period)に堆積したペインテッド砂漠(Painted Deserts)内にある
下の写真の通り、周囲は見渡す限りグレーの色合いをした土壌で占められています。これはチンル層(Chinle Formation)と呼ばれる、三畳紀に川や湖などの淡水に堆積した土壌だと云われていて、この場所の状況が他の赤い土壌のエリアとはまた違った軽い質感がとても特徴的です。空気が薄く感じるといった方が良いでしょうか? もちろん実際に酸素が薄いという事ではありません。
2、おススメの楽しみ方
【ビジターセンター】
ビジターセンターが2つ ①Painted Desert Visitor Center と②Rainbow Forest Visitor Center。双方は26マイル(42キロ)離れていて、その間に見るべきポイントが点在します。双方ともなかの展示物がとても面白くぜひオープン中に訪れたいです。
【ポイントをすべて回る】
面積的にはそれほど大きくないので、ポイント全てを回っても3-4時間ぐらいでしょうか?①のビジターセンターをスタート➡ニュースペーパーロック➡ブルーメサ➡ジャスパーフォレスト➡クリスタルフォレスト➡最後にGiants Logと②ビジターセンター
【周囲のポイント】
Meteor Creator: セドナやラスベガス方面から来る場合は途中にある、5万年前に隕石が落ちた跡地には寄りたいですね。北米大陸には確認されている隕石の落下跡地は60あり、規模や年代はそれほど目を引くものではありませんがアリゾナでは唯一のものです。来てみると何故ここだったのか?がなんとなく分かる気がします。